日本薬理学雑誌
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92 巻 , 3 号
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  • 荒谷 秀和, 今吉 朋憲, 西田 ゆかり, 寺澤 道夫, 丸山 裕
    1988 年 92 巻 3 号 p. 167-174
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/02/23
    ジャーナル フリー
    L-cysteine ethylester hydrochloride(ethylcysteine)は100mg/kg,p.o.で明らかなラットcollagen関節炎予防効果を示し,投与中断後もその作用は持続したが,用量依存性は認められなかった.一方,D-penicillamineは同条件下で抑制作用を示さなかった.cthylcysteineを治療的に投与した場合,300mg/kg,p.o.で関節炎を改善する傾向を示した.ラット carrageenin足浮腫,ラット48時間PCAおよびラット6時間,24時間 Evans blue-carrageenin胸膜炎のような急性炎症あるいはI型アレルギーモデルに対してethylcysteineは高用量でも抑制作用を示さなかった.in vitroにおいて,ethylcysteineはD-penicillamineと同様リウマチ因子陰性化作用,ヒトγ-globulin熱変性促進作用およびalkaline-phosphatase阻害作用を示した.以上,ethylcysteineはD-penicillamineと生化学的性質は類似するが,D-penlcillamineとは異なりラットcollagen関節炎を明らかに抑制することから,臨床においても抗リウマチ作用を示す可能性が期待される.
  • 草間 寛, 西山 雅彦, 池田 滋
    1988 年 92 巻 3 号 p. 175-180
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/02/23
    ジャーナル フリー
    正常および実験的高脂血症ラットにおけるbezafibrateの血清脂質低下作用を検討した.bezafibrateは正常ラットにおいて7日間の経口投与により血清トリグリセライド(TG)を1mg/kg/dayより,血清総コレステロール(TC)を3mg/kg/dayより有意に低下させた.Triton WR-1339誘発高脂血症ラットにおいては,bezafibrateは100mg/kgの経口投与により血清TGおよびTCの増加を有意に抑制した.また,正常ラットに75%フルクトース水溶液を7日間摂取させることにより,血清TGは通常群の約4倍に増加した.bezafibrateは1mg/kg/day,7日間の経口投与により血清TGの増加を有意に抑制した.8週間の高コレステロール食(1%)での飼育により,血清TCは通常食飼育群の約2倍に増加したが,bezafibrateは30mg/kg/dayの経口投与より血清TCの増加を有意に抑制した.これらの結果はbezafibrateの高脂血症治療剤としての有効性を示唆するものと考えられる.
  • 草間 寛, 西山 雅彦, 松原 靖人, 池田 滋
    1988 年 92 巻 3 号 p. 181-191
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/02/23
    ジャーナル フリー
    bezafibrateの血清トリグリセライド(TG)および血清総コレステロール(TC)低下作用機序についてラットを用いて検討した.bezafibrateは14C-酢酸の肝および血清TGへの取り込みを抑制し,肝acetyl CoA carboxylase活性を阻害した.また,bezafibrateは脂肪酸のβ酸化を亢進した.さらに,bezafibrateは組織リポプロテインリパーゼ活性を増強し,Intralipid®負荷時における血中からのTG消失を促進した.一方,末梢脂肪分解および肝臓からのTG分泌機能には影響を及ぼさなかった.bezafibrateは14C-酢酸の肝コレステロールへの取り込みおよび肝 3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A reductase活性を抑制した.一方,コレステロールの吸収および排泄には影響を及ぼさなかった.これらの結果より本剤の血清TG低下作用は,TG合成の抑制と血中からのTG異化促進に基づくことが示唆された.また,血清TC低下作用はコレステロール合成の抑制に基づくことが示唆された.
  • 坂東 和良, 畑中 佳一, 大林 繁夫, 入野 理
    1988 年 92 巻 3 号 p. 193-200
    発行日: 1988年
    公開日: 2007/02/23
    ジャーナル フリー
    実験的脳梗塞モデルとして有用とされているラットアラキドン酸(AA)誘発脳梗塞モデルについて器質的な梗塞巣の定量的計測法を考案した.またその計測値と卒中様症状との関係について統計的検討を行なった.AA 1.3mg/kgを右内頸動脈に注入することにより29%の動物は死亡した.死亡動物脳の組織学的検討では,右大脳半球全域にわたる広範な虚血性壊死と出血が顕著であった.生存例では86%の動物に梗塞が発現し,その梗塞巣は無構造化した壊死巣で,乳頭体中央部を通る大脳冠状断標本の視床下部に最も大きく発現した.そこで,同部の梗塞巣を方眼紙上の脳冠状断シートに転写し,脳面積に占める梗塞巣の面積を計測し梗塞率とした.この梗塞率を独立パラメータとし,本モデルにおいて顕著にみられた5つの卒中様症状(斜頸,正向反射消失,転倒,特異姿勢,協調運動機能低下)を従属パラメータとし,数量化理論I類にてその関係を詳細に解析した.症状陽性の動物で梗塞のみられなかった動物(false positive)は存在しなかったが,症状が陰性であるにもかかわらず梗塞を有した動物(false negative)は極めて多かった.各症状パラメータのグレードを数量化し正規化したところ,転倒および特異姿勢では数値のレンジが大きく,梗塞率と深い関係がみられた.また,梗塞率と各症状パラメータ間の偏相関係数は転倒と特異姿勢が高く,その他のパラメータでは弱かった.従って薬効検定を簡易な卒中様症状で行なう時は,転倒と特異姿勢は梗塞の指標となり得ることが示された.
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