日本薬理学雑誌
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抗高脂血症剤 Bezafibrate の薬理学的研究(2) ―血清トリグリセライドおよびコレステロール低下作用機作の解析―
草間 寛西山 雅彦松原 靖人池田 滋
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1988 年 92 巻 3 号 p. 181-191

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抄録
bezafibrateの血清トリグリセライド(TG)および血清総コレステロール(TC)低下作用機序についてラットを用いて検討した.bezafibrateは14C-酢酸の肝および血清TGへの取り込みを抑制し,肝acetyl CoA carboxylase活性を阻害した.また,bezafibrateは脂肪酸のβ酸化を亢進した.さらに,bezafibrateは組織リポプロテインリパーゼ活性を増強し,Intralipid®負荷時における血中からのTG消失を促進した.一方,末梢脂肪分解および肝臓からのTG分泌機能には影響を及ぼさなかった.bezafibrateは14C-酢酸の肝コレステロールへの取り込みおよび肝 3-hydroxy-3-methylglutaryl coenzyme A reductase活性を抑制した.一方,コレステロールの吸収および排泄には影響を及ぼさなかった.これらの結果より本剤の血清TG低下作用は,TG合成の抑制と血中からのTG異化促進に基づくことが示唆された.また,血清TC低下作用はコレステロール合成の抑制に基づくことが示唆された.
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