抄録
〔目的〕重篤な合併症を有さない高齢者大腿骨近位部骨折術後患者を対象とし、術後要因を比較し、回復期病院へ転院する患者の特徴を検討した。〔対象と方法〕高齢者大腿骨近位部骨折術後患者30名を退院先により自宅群と転院群2群にわけ、術後1週と退院時の精神心理的および運動機能等の評価項目値を比較および効果量を算出した。退院時については精神心理的機能と運動機能、移動能力との相関性を検討した。〔結果〕自宅群は19名、転院群は11名であった。2群間比較の結果、術後1週では有意差を認めず、退院時における2群間比較では転倒自己効力感得点、破局的思考尺度の反芻得点、機能的自立度評価歩行得点で有意差を認め、中以上の効果量を示した。〔結語〕回復期病院へ転院する大腿骨近位部骨折術後患者の特徴として、退院時の術後疼痛に関連した破局的思考の残存、転倒自己効力感や移動能力低下があり、転院の判断材料となる可能性が示唆された。