主催: 日本知能情報ファジィ学会
共催: 国際ファジィシステム学会
近年,電子カルテの導入により,XML等,統一的な医療情報の蓄積が行われ,また,その情報を用いた知識自動獲得等,情報処理分野での有効利用が可能になりつつある.こうした利用方法は手書きカルテで行うことは難しいため,電子カルテが持つ長所のひとつとなっている.しかし電子カルテは,情報を統一して扱うために,入力できる項目や手段に制約を与えることになり,必ずしも医師が考えた通りに入力できない点が問題となっている.一方,手書きのカルテはこうした制約こそないが,入力情報を一意のユニークなデータとして扱うことが困難という問題点がある.そこで,手書きの長所を生かした入力を行い,電子カルテの長所同様に情報を扱えるよう,補完・抽出等を行い,ユニークなデータとして変換することが必要となる.本研究は,これらの処理のために必要となる前処理について,実際に収集したカルテ記述をもとに分析を行い,特に,自然言語処理の立場から報告を行う.