抄録
平均強度が光軸からの距離の負のべき関数に従うようなコヒーレント光波をランダムな平面散乱体に照射すると,べきの指数がある一定の範囲内にある場合には,その散乱体の光学的フーリエ変換面に強度の空間分布がフラクタル的特性を有する特異な光散乱場,すなわちフラクタルスペックルが生じる.その強度分布は,極めて長い空間相関特性を示し,光計測や光学的構造形成への応用の観点から興味深い.このようなスペックルの相関特性と強度クラスタ現象,およびそれに関連するマルチフラクタル特性について述べる.さらに,その生成に使われるべき関数的照射光として,これまで用いられてきたランダムなフラクタル開口からの散乱光では十分な照射強度が得られないという問題を改善するため,液晶空間光変調器を位相変調素子として用いる方法を新たに提案し,実際に実験を行った結果を示す.