2016 年 72 巻 2 号 p. I_277-I_284
近年,数値シミュレーションの信頼性の確保のためのアプローチであるVerifiction and Validation(V & V)に注目が集まっている.数値計算手法の基本的特性の評価および数値解析コードの検証(verifiction)においては,Roache等によって提案された創成解の方法(Method of Manufactured Solutions)が流体力学の問題を中心に広く用いられている.一方,強形式に基づく従来の創成解の方法を固体力学の問題に適用する場合には,応力の空間微分を求めることが必要となることから,これまでは使われることが少なかった.この問題点に対して,筆者等は弱形式に基づくことで応力の空間微分を回避する手法を提案している.本研究は,この手法を超弾性体の大変形問題に対する創成解の方法に適用し,従来検討されることの少なかった大変形状態における有限要素法の近似特性の評価を行うものである.