抄録
本研究では、幾何的な対象の効果的なデータマイニング手法の開発を目指し、気象データの幾何マイニングを行う。全球約10,000地点における一定気圧(17レベル)の高度と各高度での風速ベクトルなどの観測値で構成される気象データベースから、台風など風の回転を伴う気象現象を抽出する。従来の台風抽出手法は17のうち一部のレベルで経験的に定められた条件を全地点について調べるため、他のレベルで強風が吹くような現象を見逃してしまい、計算量も膨大になるという問題があった。本研究では、まず、地球上にランダムに設定した少数の初期位置からストリームラインに沿って移動し、渦を見つける。次に、複数見つけた渦それぞれについて強さと影響範囲を求め、危険度の高い順にランキングする。従来手法で抽出された台風は全て、提案手法で獲得したランキングで比較的高い順位に入った。また、従来手法では見逃していた渦を提案手法により抽出できた。