抄録
近年,日本では投票率の低迷が問題になっている.また,選挙における投票所の設置には人件費や施設費などの膨大なコストがかかり,投票所の数を増やすことは困難である.
本論文では,国勢調査や実際に行われた選挙のデータを用いて,投票行動モデルを作成し,実際の都市をモデル化した都市で投票シミュレーションを行う.そして,モデル化された都市の選挙結果を実際の選挙結果に限りなく等しくするようにモデル内のパラメータを調整する.さらに,そのモデル化された都市における各地域で指定されている投票所を変更し,そのときの投票率を求める.この投票所の変更に遺伝的アルゴリズムを用いて,投票率の最大化と実際の投票率を下回らないような投票所数の最小化を目指した最適化を行う。