抄録
本研究では,max/minといった情報に基づいて切り替えられるマルチリアプノフ関数を用いた非線形ファジィシステムの安定解析手法の提案を行う.マルチリアプノフ関数は,2つの2次形式関数を組合わせるPiecewiseリアプノフ関数のより一般的な形式である.まず始めに,マルチリアプノフ関数の一般的な表現について議論する.次に,ここでの議論を非線形ファジィシステムに適用し,安定条件の導出を行う.導出された条件式はBMI(Bilinear Matrix Inequarity)であり,そのままでは解を得ることは難しいので,本研究ではMATLABのLMI Control ToolboxとPSO(Particle Swarm Optimization)と呼ばれる最適化手法を組合わせたアプローチを提案する.最後に,例題の解析を通じて本研究で提案した手法が従来のものよりも効果的であることを示す.