抄録
概念ファジイ集合とは,ある単語を別の単語群の活性値分布で表現したもので,おもに文脈によって変化する語義を表現することを目的として提案された.これまでに,英語においてはターゲットとする単語の意味を,直前の単語列とその頻度に注目して,以下のように生成する方法が提案されている.まず,Modified Confabulation Modelを用いて、ある単語の直前の単語列から次に来る単語を予測することでSynonymyを得る。さらに文脈情報を用いて、Synonymyを重み付き加算することで概念ファジイ集合を生成する。同じ単語でも文脈情報が変化すれば、異なる概念ファジイ集合が生成される。ところが、日本語は係り受け構造を持っている場合が多く,ターゲットとなる語の意味は直前の単語列から推定することは困難である.そのため、係り受け解析を行い、それに基づいて直前の単語列の拡張を行う。実験により、提案手法で生成された概念ファジイ集合が文脈に依存して変化する語義の表現に有効であることを示す。