抄録
本研究では,文章の編纂における入力方法の違いに着目して,文章を纏める過程のモデル化を行う.コンピュータの普及に伴い,文章の産出をキーボード入力で行う人が多くなった一方で,手書きで文章を産出する人もまだ多くいる.その理由は,これらの入力方法の利点が異なるためである.
そこで,このような利点の違いを活かした新たな複合的入力手段の実現に向けた基礎検討を行う.その第一歩として,入力方法の違いが文章を纏める過程で,執筆者の行為にどのような差異をもたらすのかを実験を通して検証した.その結果,文章を纏める過程を順序と行為の頻度に着目すると,執筆者の文章を纏める過程が4つのパタンへと分類できることがわかった.