抄録
人間の学習では、最初は与えられたデータをそのまま覚えていくが、学習が進むと与えられたデータを抽象的に覚えていく。我々はこのような学習を計算機上でシミュレートする研究を行ってきた。このシステムでは、すべてのデータを保存しておき、ルールの生成および知識表現、知識集合、推論の評価に用いてきたが、多くのデータを保存できるのは不自然であると考えられる。そこで、保存するデータ数を制限し、それを上回った場合に不要なデータを決める基準が提案されていたが、十分な検討はなされていなかった。本研究では、これまでに提案された時間基準、正解率基準、類似度基準にはデータの種類(ランダムなデータ、クラスが時間で変化するデータ、クラス数が不均衡なデータ)によって累積正解率にばらつきがあることを示し、従来の3つの基準を組み合わせた新たな基準を提案する。そして、提案基準と従来の基準を比較するためにシミュレーションを行った。その結果、提案基準はデータの種類によらずある程度の正解率を保つことができた。