抄録
20011年3月11日の想定外の規模の東日本大震災を契機として、その後の復興や再建において生じている混乱や遅滞は、主として合意形成や意思決定のシステムへの認識やその共有が不十分であることによるものと思われる。民主主義に基づく我が国の社会においては、多数決の原理は勿論であるが、制度としては代表民主制が採用されていることを前提として、本報ではα‐レベル集合を応用したファジィ意思決定としてのモデル化により代表民主制の特質を明らかにすると共に、協調的かつ妥協的な合意形成への客観的なアルゴリズム化を試みるものである。手法は、世論及び意思決定者(例えば政府など)の協調として捉え、前者を許容意見分布のα‐レベル集合として、後者を前者よりも1次元以上少ない独立変数の非ファジィ関数として定義し、両者の関係性において意思決定による解を求めるものである。本報では直感的にも分かりやすい1,2,3次元のα‐レベル集合の場合について考察を加え、1次元においてはアルゴリズムやルールを明確に記述し、その発展として2,3次元における空間的かつ定性的なイメージ化を行う。本法の特色は、世論及び政府の権限と責任を明らかにし、更に意思決定プロセスが客観的に透明化されることである。最後にインフラの耐震計画などへの応用性について考察を加え、本法の社会的意義や将来性などについても考察を加える。