抄録
近年,人間との共生環境下において活動する自律ロボットの研究・開発が進められている.人間とロボットが共生するためには,ロボットが自ら環境に適応していくことが求められているが,人間の日常環境においてロボットに必要とされる全ての動作を事前に設計することは困難である.そこで,人間の動作を呈示し,ロボットに模倣学習を子行わせる研究が多く行われている.従来研究では教示動作の認識や模倣学習の性能について主に議論されてきた.特に,人間とロボットではリンク構造ダイナミクスが異なるため,人間の動きをロボットの関節角の軌道として正確にロボットが再現したとしても,その動きがロボットに適したものにはならない.そのため,人間の教示動作は学習初期値として利用し,その後はロボット自身の試行錯誤による学習が行われることが多いが,経由点を用いた動作学習では学習中に教示動作も含めて試行動作の評価を行うものや教示動作の学習に対する影響を調べたものは少ない.そこで,本報告ではヒューマノイドロボットによる歩行動作の学習を経由点表現を用いた方策勾配法で行い,深度センサを用いた人間の動作認識から教示データを抽出し,これを動作学習の評価にバイアスとして導入する方法を提案し,その行動学習への影響について実験によって調査し,その有効性を示す.