2018 年 60 巻 1 号 p. 27-33
症例1は64歳男性,十二指腸癌StageⅣ(T4,N3,M1)の浸潤による胆管狭窄に対し内視鏡的に胆管金属ステント(Self-expandable Metal Stent:SEMS)を留置.その後胆管十二指腸瘻(Choledochoduodenal fistula:CDF)と十二指腸狭窄が上十二指腸角に出現した.症例2は68歳男性,膵頭部癌cStageⅣb(T3N2M1)に伴う胆管狭窄に対し,SEMSを留置.その後下行脚に腫瘍浸潤に伴う十二指腸狭窄と上十二指腸角にCDFを認めた.いずれの症例も穿孔や出血,胆管炎などのリスクを十分説明の上,内視鏡的十二指腸SEMS留置術を施行.十二指腸の狭窄は解除され,経口摂取可能となった.また,短・長期的な偶発症は認められず,安全に十二指腸SEMS留置が可能であった.