日本顎関節学会雑誌
Online ISSN : 1884-4308
Print ISSN : 0915-3004
ISSN-L : 0915-3004
NMDA誘発性顎運動時の三叉神経中脳路核ニューロンの神経活動
榎本 明史岡本 怜子妹尾 日登美草山 守生濱田 傑古郷 幹彦
著者情報
ジャーナル フリー

2009 年 21 巻 2 号 p. 99-104

詳細
抄録

三叉神経中脳路核ニューロンは三叉神経系の一次知覚ニューロンであり,リズミカルな顎運動を誘発させるために非常に重要な働きをしていることが知られている。三叉神経系において,NMDA(N-methyl-D-aspartate)誘発性の顎運動様神経活動が知られているが,三叉神経中脳路核ニューロンのNMDAに対する電気生理学的特性はいまだ報告がない。
今回われわれは,NMDA投与により三叉神経中脳路核ニューロンの神経活動がどう影響を受けるかを検討し,またナトリウム電流(特に閾値レベルにて非常に重要な働きをなすpersistent sodium currentとresurgent sodium current)がどのように影響を受けるかを検討した。
NMDA投与にて,三叉神経中脳路核ニューロンの神経活動は抑制され,またナトリウム電流の細胞内への流入も減少することが認められた。

著者関連情報
© 2009 一般社団法人 日本顎関節学会
次の記事
feedback
Top