2023 年 35 巻 2 号 p. 77-82
顎関節症の病態は多岐にわたることから,医療連携による処方や専門的な対応が必要になることがある。また,特殊なオーラルアプライアンスを用いた治療へと移行することが望ましい場合もあり,臨床においてアプライアンス療法をはじめとして治療法を選択する際には術者の経験に委ねられることも多い。本論文では,各種治療法のなかでアプライアンス療法に焦点をあわせ,まずは咀嚼筋痛障害の病状に応じたオーラルアプライアンスの選択と治療終了へと移行する際のプログラムについて解説する。次いで,顎関節円板障害(Ⅲ型a:復位性関節円板前方転位)に含まれる間欠ロックについては,ロック発現時に顎関節部疼痛および開口障害あるいは咀嚼障害を認めることから,症例数は少ないものの日常生活に支障をきたすことが多く,対応する必要性が高い病態だと著者は考えている。そこで,著者が臨床で行っているオーラルアプライアンスを用いた対応についても紹介する。