日本顎関節学会雑誌
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顎関節鏡視下円板縫合・固定術と顎間牽引術後に下顎頭の再生をみた1例
大月 佳代子大西 正俊佐野 猛吉田 雅之笠井 隆司
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1999 年 11 巻 1 号 p. 30-35

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抄録

顎関節鏡視下円板縫合・固定術と顎間牽引術後に下顎頭の再生をみた1例
顎関節鏡視下円板縫合・固定術と顎間牽引の治療により, 変形した下顎頭の2次的な再生が得られた症例について報告する。
症例は, 66歳, 男性。慢性関節リウマチで, 咀嚼不能を主訴に来院。咬合状態は, 開咬で, X線像より下顎頭変形, 下顎枝短縮, 下顎後退がみられたピポット付スプリント装用下に顎間牽引後, 鏡視下円板縫合・固定術を施行。処置後, 開咬は消失, 咀嚼可能となり, 術後1年2か月現在, 咬合状態良好で, 開口障害なく経過している。術後のX線像で, 下顎頭の2次的な再生が観察された。
以上の結果から, 本治療法による下顎頭の2次的な再生の可能性が示唆された。

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