日本顎関節学会雑誌
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ラット顎関節における神経線維の生後発達
植木 伸隆内田 隆田中 栄二丹根 一夫
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キーワード: 生後発育, 神経線維
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1999 年 11 巻 2 号 p. 119-127

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抄録

本研究では, PGP 9.5およびCGRPをマーカーとした免疫組織化学法を用い, ラット顎関節におけるPGP 9.5およびCGRP免疫陽性神経線維の生後発育による分布変化について検討した。
Wistar系ラット28匹 (生後0-40日) を潅流固定し, 顎関節を含むブロックを摘出, 脱灰した。その後, 矢状断および前頭断連続凍結切片を作製し, labeled-streptavidin-biotin法を用いて免疫組織化学的に染色した。
ラット顎関節では生下時には, ごく少数ながら神経線維が関節円板中央部付近に侵入していたが, 生後発育とともに周辺部に限局することが認められた。これに伴い周辺部においては, 神経線維の増加が認められた。また, 自由神経終末と思われるvaricosityを有する神経線維は, 生後発育とともに増加することが確認されたが, 特殊神経終末は実験期間を通じてまったく観察されなかった。関節円板における神経線維の発育は, 咀嚼機能および顎関節形態の発達に関連した変化であることが示唆された。

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