日本顎関節学会雑誌
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下顎枝矢状分割術を施行した外科的矯正治療前後における顎関節MRI所見の変化
三好 康太郎大貫 敬嘉永井 宏和武蔵 哲貞柏木 了福田 雅幸宮本 洋二
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2005 年 17 巻 3 号 p. 224-231

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抄録
本研究は, 骨格性下顎前突症患者の外科的矯正治療前後における顎関節の形態変化をmagnetic resonance imaging (MRI) により評価することを目的とした。
対象は, 下顎枝矢状分割術 (SSRO) を施行した骨格性下顎前突症患者26例 (男性5例, 女性21例, 平均年齢22.9歳) とした。外科的矯正治療前後で関節円板の前方転位と形態および下顎頭の形態を評価した。
治療前に52関節中9関節 (17.3%) に関節円板の前方転位がみられたが, 治療後に変化はなかった。治療前に52関節中9関節 (17.3%) に関節円板の変形がみられ, 治療後には1関節で関節円板の変形が進行したものの, 治療前後で関節円板の位置, 形態に有意な差はなかった。また, 治療前に52関節中2関節 (3.8%) に下顎頭の変形がみられ, 治療後には3関節 (5.8%) に増加したものの, 治療前後で下顎頭の形態に有意な差はなかった。下顎骨の偏位により, 対称症例と非対称症例に分類し比較した場合, 関節円板の前方転位および下顎頭の変形の発現頻度は, 非対称群の偏位側で有意に高かった。また, 治療前後で関節円板の前方転位, 下顎頭の変形の有無に有意な差はなかった。本研究結果から, 骨格性下顎前突症患者にSSROを施行した外科的矯正治療が, 顎関節に及ぼす悪影響は小さいものと考えられた。
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© 一般社団法人日本顎関節学会
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