抄録
法人化後に学長のリーダーシップが重視されている国立大学法人において，健康危機管理の視点から，新型コロナウイルス感染症に対応した広報活動をもとに，大学の対応に関する調査を行った．全国立大学86校を対象に，それらのホームページから入手可能な学長等のメッセージを抽出して収集し，得られたテキストについて内容分析を行なった．メッセージの発信の頻度，発信主体の明確さ，想定した受信対象者（在学生，新入生，教職員，保護者等），および，メッセージが示す内容とキーワードの分析を行った．結果，大学は感染防止策等の具体的な内容，大学の方針，激励・助言・勇気づけに至るまで，幅広い内容のメッセージを送っている状況が見て取れた． 以上をもとに，学長による積極的な情報発信と危機管理時の大学の対応について考察した．
