日本消化器内視鏡学会雑誌
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原著
Narrow Band Imaging(NBI)拡大観察を用いた大腸腫瘍性病変の異型度・深達度診断能の検討
二上 敏樹斎藤 彰一田尻 久雄池上 雅博
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2009 年 51 巻 1 号 p. 10-19

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抄録
【目的】Narrow Band Imaging(NBI)拡大内視鏡観察による大腸腫瘍性病変の異型度・深達度診断能を明らかにする.【方法】当科でNBIおよび色素法拡大内視鏡観察を行い,切除された大腸腫瘍232症例,247病変(うち179病変が早期大腸癌)を対象とした.NBI拡大内視鏡により観察される血管模様を,血管走行が認識されない1型,血管径の軽度拡張を認める2型,拡張した血管が目立つ3型(3Vと3Iの二型に亜分類した),血管分布が疎で走行が追えない4型に分類した.血管模様分類と腫瘍異型度・深達度の関係を中心に検討した.【結果】4型の病変は97% がSM深部浸潤(SM-m)癌であった.NBI拡大観察によるSM-m癌診断能は,感度78.9%,特異度95.9%,正診率90.5% であった.【結論】NBI拡大観察によって色素法拡大観察とほぼ同等の高い診断能が得られ,治療法選択の手段として有用と考えられた.
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© 2009 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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