日本消化器内視鏡学会雑誌
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経験
経鼻内視鏡検査時のミントオイルによる蠕動抑制効果の検討
結城 美佳数森 秀章駒澤 慶憲福原 寛之山本 俊雫 稔弘
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2009 年 51 巻 4 号 p. 1165-1169

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抄録

われわれは,経鼻内視鏡検査時の前処置として,鎮痙剤の代替としてのPeppermint Oil Solution(以下POS)の有用性を評価するための検討を行った.健常成人8人(男性3人,女性5人,平均年齢37.9歳)を対象に経鼻内視鏡検査を施行し,POS20mlを前庭部に散布し,その前後それぞれ3分間の蠕動回数を計測した.POS散布後,前庭部の蠕動回数が有意に抑制された.その効果は散布後1分で出現し,3分まで続いた.また同時に測定した血圧,動脈血酸素飽和度,脈拍は検査有意な変動を示さず,特に副作用などは認めなかった.経鼻内視鏡検査時のPOS散布による蠕動抑制は有効であり,今後POS使用により経鼻内視鏡検査では鎮痙剤を使用せずとも,安全に十分な観察が可能である可能性が示唆された.

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© 2009 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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