日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
大腸静脈瘤破裂に対し内視鏡的クリップ止血術が有効であった1例
渡辺 一宏松川 滋夫川瀬 建夫
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2010 年 52 巻 12 号 p. 3309-3315

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抄録
症例は膵癌の76歳女性.2009年2月多量の血便を認め出血性ショックとなる.原因の上行結腸静脈瘤破裂に対し大腸内視鏡下で22個のクリップをかけ止血,癌死までの2カ月間再出血なく摂食が可能であった.現在までに同疾患のクリップ単独止血術の報告は認めず,われわれは,この治療法をMulti-hemoclippingとした.治療困難な大腸静脈瘤患者に内視鏡的クリップ止血術は治療の1選択肢となり得る可能性がある.
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© 2010 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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