日本消化器内視鏡学会雑誌
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原著
内視鏡的に摘出した上部消化管異物104例の臨床的検討
上原 正義多田 修治江口 洋之塩屋 公孝上川 健太郎吉田 健一工藤 康一浦田 淳資今村 治男藤本 貴久
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2010 年 52 巻 4 号 p. 1243-1249

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抄録

【目的】内視鏡的に摘出した上部消化管異物について,自験例をもとに異物の内容と合併症のリスクについて臨床的検討を行った.【方法】当院にて1996年7月から2008年12月にかけて内視鏡的に上部消化管異物を認め,摘出術を行った成人104例を対象にした.年齢,性別,原因,既往歴,種類,停留部位,摘出法,症状,合併症について臨床的検討を行った.【結果】上部消化管異物は,鋭的異物が多く,PTP30例,義歯24例,骨22例などであった.停留部位は,食道が59例(57%)を占めた.合併症は7例認め,すべて鋭的異物であった.誤飲時期が明らかであった75例では,合併症は24時間未満が67例中4例(6%)に対し,24時間を超えた症例では8例中3例(38%)であった.【結論】上部消化管異物はPTP,義歯,骨などが多く,24時間以上経過した患者は合併症に注意が必要である.

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© 2010 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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