2010 年 52 巻 8 号 p. 1874-1880
症例は31歳の女性.生後1週間から嘔吐を繰り返し,幽門形成術と胃空腸吻合術を受けた.30歳頃から嘔吐と背部痛が出現しSMA症候群と診断されて十二指腸空腸吻合術が施行された.その後も症状が続くため上部消化管内視鏡検査と十二指腸造影検査を行った結果,十二指腸膜様狭窄症と診断し,2チャンネルスコープに透明フードデバイスを装着し,ポリペクトミー用スネアを用いた内視鏡的膜様部切除術を行った.術後4カ月目に行った上部消化管内視鏡検査では狭窄を認めていない.