抄録
患者は50歳代・男性で胃内視鏡検査で胃体下部大彎にひだ集中と辺縁隆起を伴う陥凹性病変を認めた.陥凹面は褪色調で微細顆粒状を呈し,NBI拡大所見ではirregular microvascular and microsurface pattern with a demarcation lineを認めた.以上より,Type 0-IIa+IIc,SM浸潤した早期胃癌と診断した.病理組織学的所見では病変は超高分化腺癌で構成され,粘膜下層では低異型度のまま線維化を伴いながら深部浸潤していた.粘膜内では胃型粘液形質を示し,Pepsinogen-I(+)で胃底腺型(主細胞優位型)と診断した.