日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
症例
膵管空腸吻合部狭窄に対してダブルバルーン内視鏡下狭窄拡張術が有効であった1例
石澤 哲也牧野 直彦伊藤 美保池田 祐之松田 暁子本田 悌一朗戸澤 智浩白幡 名香雄河田 純男
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2011 年 53 巻 8 号 p. 2031-2035

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抄録
症例は58歳,男性.53歳時,中下部胆管癌に対し膵頭十二指腸切除術(以下PD)を施行され,術後5年間に計7回の急性膵炎を発症した.画像検査上,膵管空腸吻合部狭窄が疑われたため,ダブルバルーン内視鏡による膵管造影を施行した.膵管造影上,吻合部狭窄を認め,テーパードカテーテルで狭窄部を拡張後,膵管ステントを留置した.2カ月後,ステントの逸脱により急性膵炎が再燃したため,バルーン拡張術を施行した.その後約1年が経過したが膵炎の再燃なく経過している.ダブルバルーン内視鏡による膵管空腸吻合部拡張術は,通常のアプローチが困難なPD後の膵管空腸吻合部狭窄に対して,有用な治療法のひとつであると考えられる.
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© 2011 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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