日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
Mucosal bridge上に早期大腸癌を認め内視鏡的に切除した1例
佐野 明江伊藤 康文早崎 直行池田 庸子吉田 健一郎
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2012 年 54 巻 1 号 p. 39-43

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抄録

症例は69歳男性.糖尿病で近医通院中に胸部X線の左肺腫瘤病変を指摘され当院呼吸器外科で肺癌と診断.左肺下葉切除施行.PSA高値も認め前立腺生検で前立腺癌と診断.ホルモン療法で経過観察となった.同時期に大腸内視鏡検査を当院内科で施行.S状結腸下端に限局した数個のmucosal bridgeと多数の炎症性ポリープが散在.ひとつのmucosal bridge上に炎症性ポリープとは異なるIsp病変を1個認めた.早期大腸癌を疑い内視鏡的に切除し,高分化型腺癌であった.以後同部の再発は認めていない.経過中に進行胃癌も判明し,肺癌,前立腺癌,大腸癌,胃癌の4重複癌であった.

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© 2012 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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