日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
症例
腹部鈍的外傷により胆管狭窄を来した1例
小口 貴也渡邉 貴之丸山 真弘伊藤 哲也米田 傑丸山 雅史児玉 亮村木 崇新倉 則和田中 榮司
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 54 巻 1 号 p. 44-49

詳細
抄録

症例は16歳男性.テニスコートを整備中,整地用ローラと鉄柱の間に上腹部を挟まれた.1週間後より食欲不振,嘔気を認め,近医を受診.閉塞性黄疸と診断され,受傷から3週間後当院紹介となった.内視鏡的胆管造影にて中部胆管に径約10mmの平滑な狭窄と肝側胆管の拡張を認め,7F胆管プラスチックステントを1本留置した.1週間後4mm胆管拡張用バルーンにて狭窄部を拡張後,7F胆管プラスチックステントを2本留置とした.3カ月後狭窄部の拡張を確認しステントを抜去,その後9カ月再狭窄を認めていない.腹部鈍的外傷による胆管狭窄は稀であり,治療法は確立されていない.内視鏡的治療が有効であった症例を経験したので報告する.

著者関連情報
© 2012 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top