抄録
【目的】適応拡大した未分化型胃癌に対するESDの治療成績を検討した.
【方法】2003年-2008年に20mm以下,UL(-),粘膜内癌と術前に診断しESDを施行した58例を対象とした.
【結果】一括切除率98%,一括完全切除率90%,治癒切除率79%,平均治療時間70分,出血8.6%,穿孔3.4%であった.非治癒切除の要因は粘膜下層浸潤が最も多かった.病理診断で適応拡大条件を満たす病変に限ると治癒切除率98%であった.切除後の肉眼所見による腫瘍径と組織所見での腫瘍径差の比較では,適応拡大条件を満たす病変の96%が±5mmの腫瘍径差で,組織所見が肉眼所見より5mm以上大きい症例はなかった.
【結論】未分化型胃癌に対するESDは技術的には可能であり,術前の範囲診断から5mm以上離して切除すれば高い治癒切除率が得られた.非治癒切除例は粘膜下層浸潤が多く,深達度診断に課題が残った.