日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
食道癌術後再建胃管潰瘍の心膜穿孔による心嚢膿瘍に内視鏡的ドレナージが奏功した1例
堂垣 美樹住友 靖彦山下 幸政山田 聡松本 善秀船越 太郎木村 佳人高田 真理子三上 栄織野 彬雄
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2012 年 54 巻 3 号 p. 432-439

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抄録

症例は68歳男性.10年前に食道癌に対し食道亜全摘,胸骨後胃管再建術施行.胸痛を主訴に紹介受診し,精査にて胃管潰瘍の心膜穿孔による心嚢気腫と診断した.外科的心嚢ドレナージを施行し保存的加療を行ったが,ドレナージ不良部位に心嚢膿瘍を形成した.このため内視鏡的に胃管切開ドレナージを行ったところ,心嚢膿瘍は消失し,速やかに臨床症状の改善を得た.心嚢膿瘍に対する内視鏡的ドレナージは報告例がなく,貴重な症例と考えられた.

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© 2012 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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