抄録
感染性腸炎は日常臨床上頻度の高い疾患群である.細菌性腸炎を疑う場合には便培養検査により病原菌を同定するが,便培養の病原菌同定率は非常に低い.内視鏡検査は,特徴的な画像所見が得られるだけでなく,病変部からの腸液の吸引や生検を行えるため,感染性腸炎の診断に有用である.内視鏡検査により得られた腸液あるいは生検検体を,可能性の高い病原微生物を想定し,鏡検法,培養法,PCR法,免疫組織化学的検査などを用いて検討することにより,診断の精度が上昇する.これらを各検査部門に依頼する場合には,臨床情報を十分伝えることが肝要である.