抄録
PEGは1980年にPonsky,Gaudererらによって報告された内視鏡的手術である.その安全性と簡便性,経済性から今や脳血管障害等の疾患による経口摂取困難例に対する栄養瘻,あるいは悪性消化管閉塞に対する減圧瘻の第一選択として広く世界的に普及している.
本邦においては,PEGの造設における新手技の開発,カテーテル交換における工夫,管理に対する全国的に行われるさまざまな啓発活動,また,時期を同じくするNST(栄養サポートチーム)の展開と普及による栄養管理のシステムの向上などの諸条件によって,患者のQOLの向上がもたらされ,世界に類を見ない優れた長期予後が達成されている.しかし一方で,終末期認知症などにおけるPEGの適応について,倫理的観点から見直しを検討する動きもみられ,更なる議論が必要と思われる.また,PEGの特殊性として主に造設を担当する消化器内視鏡医と,管理を担当する主治医が異なること点.造設する場所(急性期病院)と管理する場所(慢性期病院,老人保健施設,在宅など)が異なっておりトラブルの原因となりやすい.このため,多職種によるチーム医療,地域連携が重要となる.