抄録
【背景】未分化型粘膜内癌は20mm以下で潰瘍がなく,脈管侵襲陰性であれば,ESDの適応拡大と規定されている.しかし,未分化型は早期に粘膜下層に浸潤し,潰瘍を伴うため,未分化型適応拡大は比較的稀な病変である.今回,ESDを行った未分化型適応拡大の検討を行った.
【方法】ESDを行い,術後病理診断で未分化型適応拡大の治癒切除と診断した109症例110病変を検討した.
【結果】平均腫瘍径は8.8mmで10mm以下の病変が70%であった.病変はM領域多く,褪色を含む病変が86%,背景粘膜は非萎縮粘膜が58%であった.Helicobacter. pylori(H. pylori)陰性胃癌を18%に認めた.
【結論】未分化型適応拡大病変の拾い上げには,M領域の小さな褪色に注目して観察する必要があり,H. pylori陰性胃癌にも注意が必要である.