抄録
症例は27歳,女性.主訴は黒色便.24歳時に貧血で上部・下部消化管の精査既往あり.今回貧血精査のため入院.腹部CT検査で近位空腸に多血性病変あり.上部消化管内視鏡検査で同部位に隆起性病変を認め,自然出血していた.生検では肉芽組織のみ.4カ月後の内視鏡検査では隆起性病変は辺縁のみに立ち上がりを呈し,中心に陥凹を認めた.手術時に空腸の漿膜面に発赤を伴う隆起性変化を認め,楔状切除した.病理所見は異所性胃粘膜を含んだ空腸真性憩室であった.上部消化管内視鏡検査で観察された隆起性病変は空腸憩室が翻転したものと考えられた.翻転および自然整復を観察し得た異所性胃粘膜を伴う出血性空腸憩室の1例を経験した.