抄録
「背景・目的」亜型分類までの悪性リンパ腫の診断においてEUS-FNAの有用性は確立されていない現状であり,当院におけるEUS-FNAを用いた悪性リンパ腫診断について検証した.「方法」2008年2月から2012年5月までの期間に悪性リンパ腫と診断された症例の内EUS-FNAを施行された50例を対象とし後ろ向きに検証した.他部位から組織を得ていた27例に対し亜型分類診断の一致率を検討した.また,EUS-FNAにおけるMFCM,G-banding,FISH,Southern blottingの解析率を検証した.「結果」他部位診断とEUS-FNA診断の一致率は100%であった.MFCMは87.2%,Southern blottingは87.0%,G-bandingは57.6%,FISHは85.3%で解析可能であった.「結論」悪性リンパ腫の診断は細胞表面マーカー・免疫組織化学染色・染色体検査・遺伝子検査を総合的に判断することでEUS-FNAの少ない検体量でもその診断に迫ることが可能であった.安全かつ低侵襲な検査法として従来の開腹または経皮的生検に代わりうる可能性がある.