日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
胃癌術後に食道壁内転移をきたし内視鏡的に完全切除しえた1例
間宮 俊太松永 晃直岩瀬 裕郷松原 久裕
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2014 年 56 巻 1 号 p. 28-34

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抄録
症例は61歳,男性.2009年8月に噴門部胃癌に対して胃全摘術施行,切除標本の病理結果はpT3(SS)N0(0/54)M0,pStage IIA,R0であった.2010年8月に行った上部消化管内視鏡検査で,下部食道に術前には認めなかった,びらんを伴った径10mm大の隆起性病変を認めた.炎症性ポリープを疑い一旦は経過観察としたが明らかな増大傾向を認めたため,2010年10月EMR施行.病理結果はtub2,胃癌の食道転移の診断でpVM1であったため,2010年12月ESDにより追加切除を施行した.ESDの病理結果はtub2を極少量認めたが,pHM0(3mm),pVM0(0.5mm)にて,食道癌の根治度評価に則ればCurAであった.ESD術後,補助化学療法としてUFT®(600mg/body)を1年間投与した.ESD治療後2年7カ月無再発生存中である.
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© 2014 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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