日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
経過観察中に形態が変化した上行結腸神経鞘腫の1例
水藤 広山本 悠司田中 元清水 辰一郎
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2014 年 56 巻 3 号 p. 465-470

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抄録

症例は44歳男性.2011年3月,上行結腸憩室出血で当院内科へ入院し保存治療で軽快.その際に施行した下部消化管内視鏡検査で上行結腸に20mm大の扁平隆起型腫瘍を指摘された.生検ではGroup 1であった.その後,内視鏡検査のフォローアップで周辺の隆起を伴う扁平な病変を経て,より明瞭な隆起へと腫瘍の形態が徐々に変化したが,生検ではすべてGroup 1であった.悪性が否定できず,2011年11月,腹腔鏡補助下右結腸切除術施行.病理結果は上行結腸神経鞘腫であった.大腸神経鞘腫は稀な疾患であり,本症例のように形態が変化した症例の報告はないが,嚢胞形成の報告があり,本症例でも嚢胞形成があった可能性が考えられた.

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© 2014 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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