2014 年 56 巻 3 号 p. 471-476
症例は73歳,男性.左下腹部の違和感を主訴にFDG-PET検査をうけたところ,下行結腸に集積亢進を指摘された.下部消化管内視鏡検査を施行し粘膜下腫瘍と診断された.画像診断上悪性疾患の可能性も否定できず腹腔鏡下結腸部分切除術を行った.
病理組織学的診断で腫瘍は紡錘形の細胞の増殖からなり,錯綜配列を伴っていた.免疫組織化学的にはS-100蛋白陽性,α-SMA,c-kit,CD34陰性の像を示しており,下行結腸原発の神経鞘腫と診断され,悪性所見は認められなかった.
FDG-PETで集積亢進を呈した下行結腸神経鞘腫の1例を経験したので報告する.