日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
下部消化管内視鏡検査の前処置により特発性食道破裂を発症した1例
中島 康雄松尾 恵五指山 浩志辻仲 康伸
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2014 年 56 巻 5 号 p. 1751-1755

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抄録
症例は80歳男性.下部消化管内視鏡検査の前処置としてポリエチレングリコール液(PEG液)を内服した.内服開始直後に嘔吐,吐血を認めたため,緊急上部消化管内視鏡検査を施行し食道下部左壁に約3cm程度の縦長の裂創を認めた.当初Mallory-Weiss症候群と診断し絶飲食,維持点滴を開始したが,心窩部痛が出現したため,CT検査を施行した.縦隔気腫および左側胸部への炎症の波及を認め特発性食道破裂と診断した.地域救命救急センターに救急搬入し,保存治療を行い軽快した.下部消化管内視鏡検査の前処置による特発性食道破裂は稀であり,診断が遅れ治療に難渋する可能性がある.前処置時の嘔吐に伴う胸痛や心窩部痛は,特発性食道破裂を疑って診療にあたる必要があると考えられた.
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© 2014 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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