2014 年 56 巻 5 号 p. 1744-1750
【目的】全大腸内視鏡検査の前処置法としてのクエン酸マグネシウム製剤であるマグコロール®P等張液(MGP)を用いた分割投与法の有用性を検討した.【方法】MGPの分割投与群と従来の一括投与群に被検者を無作為に割り付け,腸管内洗浄効果,被検者の受容性ならびに安全性について検討した.【結果】前処置の総合評価を4段階(優,良,可,不可)で評価し良以上を前処置良好としたところ,良好が一括投与群で52.6%(20例/38例),分割投与群で82.5%(33例/44例)と分割投与群の方が有意に優れていた.被検者の受容性に関しては「非常につらかった」と訴える被検者が一括投与群より分割投与群の方が有意に少なかった.【結論】MGP分割投与法は,従来の一括投与法と比較し被検者の受容性が高く,安全で,しかも腸管内洗浄効果が優れていたことから,今後有用な前処置法になることが期待される.