抄録
症例は63歳の男性.4年前の上部消化管内視鏡検査で上十二指腸角に5mm大の0-Is様病変(生検では腫瘍性か非腫瘍性か鑑別困難)を指摘された.4年後に7mm大へと増大あり,生検にて腺癌を疑う所見であった.1カ月後に施行した超音波内視鏡所見では粘膜内病変と考えられたため,内視鏡的治療の適応と判断した.さらにその2カ月後の内視鏡治療時には0-Is様病変は0-IIa+IIc様の陥凹性病変へと形態変化しており,診断的治療目的で内視鏡的粘膜切除術にて一括切除した.病理組織診断は高分化腺癌であり,深達度はSMであった.2カ月という短期間で腫瘍の悪性度・浸潤に伴うものと思われる形態変化をきたした早期十二指腸癌の一例を経験したので報告する.