抄録
症例は67歳,女性.IgG4関連疾患の経過観察中,初診時から約5年後に心窩部痛を認めた.腹部造影CTで膵頭部に約25mm大の造影効果の乏しい腫瘍を認め,ERCPでは膵頭部主膵管狭窄,尾側主膵管の軽度拡張を認めた.超音波内視鏡下穿刺吸引(EUS-FNA)で膵癌と診断し,膵頭十二指腸切除術を施行した.組織学的には膵頭部腫瘍は高分化腺癌であったが,背景膵は著明なリンパ球やIgG4陽性形質細胞の浸潤,花筵状線維化,閉塞性静脈炎を認め,1型自己免疫性膵炎と診断した.自己免疫性膵炎,膵癌の関連性に関しては今後さらなる検討が必要であるが,併発も念頭におきフォローアップする必要がある.