日本消化器内視鏡学会雑誌
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Helicobacter pylori感染胃粘膜の内視鏡診断:多施設前向き研究
加藤 隆弘八木 信明鎌田 智有新保 卓郎渡辺 英伸井田 和徳慢性胃炎の内視鏡診断確立のための研究会
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2014 年 56 巻 5 号 p. 1813-1824

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抄録
慢性胃炎の分類としてシドニーシステムが提唱され,病理部門は広く用いられている.しかし,内視鏡部門はその病理所見に対応する内視鏡所見が未だ明らかにされず,慢性胃炎の内視鏡診断は未だに確立されていない.今回,Helicobacter pyloriH. pylori)感染胃粘膜の内視鏡所見を明らかにし,慢性胃炎の内視鏡診断を確立するために本研究を行った.
2008年3月から2009年2月まで本研究に同意が得られた275症例を登録した.各内視鏡所見と生検組織の鏡検法によるH. pylori感染診断との関連性につき,体部,前庭部別に評価した.通常内視鏡の総合的H. pylori感染診断能のROC/AUCは体部は0.811,前庭部は0.707であった.H. pylori感染陽性の通常内視鏡所見として,びまん性発赤,粘膜腫張,点状発赤が,色素法では胃小区の腫大が有用であった.体部ではRAC所見,胃底腺ポリポ-ジス,ヘマチン,出血性びらんが,前庭部ではヘマチン,線状発赤,隆起型びらん,平坦型びらん,出血性びらんがH. pylori感染陰性を示唆する所見として内視鏡診断に有用であると考えられた.本研究により通常内視鏡と色素法による胃粘膜のH. pylori感染診断はほぼ可能であることが示唆された.
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© 2014 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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