日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
胃の腸上皮化生の内視鏡診断
上堂 文也神崎 洋光石原 立
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2014 年 56 巻 6 号 p. 1941-1952

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抄録
腸上皮化生はHelicobacter pyloriの慢性感染により惹起された粘膜の分子生物学的変化が,胃粘膜を腸の形質を持つ粘膜に変化させる現象で,胃癌発生の高危険病変として重要である.腸上皮化生は腺境界部を中心に前庭部・体部の各固有粘膜の化生巣として多中心性に発生し,各固有線とモザイク状に混在しながら領域を拡大し,最終的にそれらを置換することで進展する.正常胃粘膜の微細表面構造は基本的に胃体部で胃小窩模様,前庭部で胃小溝模様を示すが,腸上皮化生は幽門腺に類似した胃小溝模様,あるいは小腸に類似した絨毛様の形態を示す.通常内視鏡観察で多くの腸上皮化生は非化生粘膜に比べて白色調に見え,narrow band imagingはその所見を(1)White opaque substanceとそれによる上皮下毛細血管の不明瞭化,(2)Light blue crestによる短波長光の反射,(3)Marginal turbid bandによる上皮の白濁,(4)上皮表面構造の違いによる血管密度の低下などの要因により強調する.内視鏡は腸上皮化生の局在や分布を把握でき,鏡視下に狙撃生検が可能である.そのため,内視鏡所見と病理組織所見,分子生物学所見を橋渡しすることで,慢性胃炎・胃癌の病態解明にさらに貢献することが期待される.
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© 2014 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
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