2014 年 56 巻 6 号 p. 1953-1959
【目的】ESDでは腫瘍の正しい側方範囲診断が必要である.Acetic acid-indigocarmine mixture(AIM)法は,通常光内視鏡観察下で1回の散布で腫瘍部のインジゴカルミンがwash outされる簡便な方法である.ESD術直前の胃腫瘍の範囲診断に対するAIM法の有用性を検討した.【方法】ESD施行直前にAIMを散布し,インジゴカルミンがwash outされた部位を病変範囲としてマーキングした.通常光観察で病変境界が不明瞭であった71例を対象に,AIM法で病変が明確に識別できたか内視鏡写真で判定し,病理診断で決定した腫瘍範囲と一致するか検討した.【結果】AIM法で範囲診断可能だったものは71病変中62病変(87%)であった.診断不可能だったのは小さな陥凹性病変と粘液付着病変であった.【結論】ESD術直前のAIM法による側方範囲診断は簡便かつ有用であった.