抄録
86歳女性.総胆管結石の治療のため入院.複数個の総胆管結石に対してERCPを行い,砕石・採石処置を4回繰り返し施行した.4回目のERCP終了30時間後に右季肋部~側腹部痛が出現したため腹部CTを施行したところ,肝右葉外側被膜下に嚢胞状病変を認めた.同病変に対しエコーガイド下経皮的穿刺を施行したところ血液が吸引され,肝被膜下血腫と診断.発熱がなく循環動態も安定していたため保存的治療を行い改善した.肝被膜下血腫はERCPに伴う偶発症として非常に稀ではあるが,検査後に腹痛を認めた場合には肝被膜下血腫も鑑別診断にあげて,診断の決め手となる画像検査を積極的に施行して原因検索に努めることが肝要である.