抄録
閉塞性大腸癌では同時多発癌の頻度が高いとの報告があり,手術に際しては深部大腸に関する正確な術前評価が望まれる.2012年に大腸ステント治療が保険収載されたことにより,閉塞性大腸癌に対するBridge to surgery(BTS)が本邦でも広く行われるようになった.われわれはBTS目的に大腸ステント治療を行った閉塞性大腸癌5例に対し,術前に細径化大腸用スコープを用いて深部大腸の観察を行った.5例中3例に同時多発癌の存在を認め,手術時に同時切除が可能であった.大腸ステント治療後の内視鏡的な深部大腸観察は生検や点墨が可能であり,同時多発癌などの併存病変の術前診断や切除範囲の決定に有用で,その臨床的意義は極めて大きいものと考えられた.