日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
症例
抗凝固療法により門脈血栓が消退し,食道静脈瘤が消失した1例
久保川 賢赤星 和也小森 圭司仲間 直崇本村 廉明板場 壮一遠藤 伸吾山下 尚毅中村 和彦
著者情報
キーワード: 食道静脈瘤, 門脈血栓症
ジャーナル フリー

2014 年 56 巻 9 号 p. 3333-3339

詳細
抄録
83歳,女性.腹水貯留で来院.肝腫瘍なく,肝機能,凝固能もほぼ正常で,HBs抗原,HCV抗体ともに陰性であった.腹水穿刺細胞診はclassIで,培養も陰性であった.上部消化管内視鏡検査(EGD)にて,LmF2CbRC1の食道静脈瘤を認めた.腹部造影CT検査および腹部カラードップラー超音波検査(CD-US)にて,門脈本幹に血栓を認めた.門脈血栓に対して低分子ヘパリンおよびワルファリンカリウムによる抗凝固療法を開始した.利尿剤の併用で,腹水は消失し,約1カ月後のCD-USで門脈血栓は消失していた.食道静脈瘤に関しては無治療で経過観察したが,約1年後のEGDでは消失しF0CwRC0となっていた.
著者関連情報
© 2014 一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top